万葉集巻第二十4444-4445番歌(うぐひすの声は過ぎぬと)~アルケーを知りたい(1670)
▼4442番から4445番までの四首は起承転結の構成になっているようだ。
4442番の起では、雨続きでも花の色は変わりませんねといって今城が家持の様子を誉めて始まる。
4443番の承では、誉め言葉を相手に返してポジティブな感情を共有する。
今回、4444番の転では、今城が上総に帰任するため奈良を離れるので、人恋しくなる秋の夕方には自分を思い出して欲しいと語る。
4445番の結では、ウグイスは声が聞こえずとも鳴き声が心に染みて恋しいと言い、家持が今城が帰っても懐かしく思い出すよ、と言って締める。
五月の九日に、兵部少輔大伴宿禰家持が宅にして集飲する歌四首(後半の二首)
我が背子がやどなる萩の花咲かむ 秋の夕は我れを偲はせ 万4444
右の一首は大原真人今城。
*私の親愛なる貴方様の家の萩が花を咲かせる秋の夕方になりましたら、どうぞ私を思い出してください。
すなはち鶯の哢くを聞きて作る歌一首
うぐひすの声は過ぎぬと思へども しみにし心なほ恋ひにけり 万4445
右の一首は大伴宿禰家持。
*ウグイスが鳴く時期は過ぎたと思うんだけれど、鳴き声が心に染みてるので恋しいなあ。
【似顔絵サロン】大原 今城/今木 おおはら の いまき 今城王/大原真人 705年 - ? 奈良時代の皇族・貴族・万葉歌人。764年、藤原仲麻呂の乱に連座。771年、赦免。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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