万葉集巻第二十4452-4453番歌(秋風の吹き敷ける)~アルケーを知りたい(1673)
▼4452番は「内の南の安殿」という場所で肆宴 (とよのあかり)を楽しむ歌。景色が良い。4453番は前の歌の下の句を上の句に持って来て風景の良さを味わっている。秋風、花の庭、清き月夜。無粋な自分にも、良い時間が流れているのが分かる気がするぜ。
八月の十三日に、内の南の安殿に在して、肆宴したまふ歌二首
娘子らが玉裳裾引くこの庭に 秋風吹きて花は散りつつ 万4452
右の一首は、内匠兼播磨守正四位下安宿王奏す。
*娘たちが美しい衣裳を着て歩くこの庭に秋風が吹いて花が散っています。
秋風の吹き敷ける花の庭 清き月夜に見れど飽かぬかも 万4453
右の一首は、兵部少輔従五位上大伴宿禰家持。未奏。
*秋風が吹いて花が散っている庭は清い月夜にいくら見ても飽きません。
【似顔絵サロン】安宿王 あすかべおう/あすかべのおおきみ ? - ? 奈良時代の皇族。天武天皇の後裔、長屋王の五男。橘奈良麻呂の乱の後、佐渡に流罪。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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