万葉集巻第二十4492番歌(月数めばいまだ冬なり)~アルケーを知りたい(1693)
▼4492番は、暦上の季節と実際の風景のギャップを詠った作品。暦の上では冬。「しかすがに」霞がたなびくから春。両者のギャップを「しかすがに」という言葉で表す。時計を見ればいまだ午前しかすがに 腹が鳴るから午後の訪れ、とか。
二十三日に、治部少輔大原今城真人が宅にして宴する歌
月数(す)めばいまだ冬なりしかすがに 霞たなびく春立ちぬとか 万4492
右の一首は、右中弁大伴宿禰家持作る。
*暦の上ではまだ冬です。けれども、霞がたなびいていますから春が来てます。
【似顔絵サロン】大原 今城 おおはら の いまき 705年 - ? 奈良時代の皇族・貴族・万葉歌人。764年、藤原仲麻呂の乱に連座。771年、赦免。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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