万葉集巻第二十4494-4495番歌(水鳥の鴨の羽色の青馬を)~アルケーを知りたい(1695)

▼今回の二首は家持が晴れやかな宴会のためにあらかじめ作っておいた歌だけど、事情で発表しなかった作品。七日は青馬の節会の日なので4484番で馬を詠ったが、会が前日に変更になったため、お蔵入りとなった。4495番は宴会の時にウグイスを詠った作品。けど、これは奏上していない。で、馬とウグイスの歌がここに来ることになった。
 
水鳥の鴨の羽色の青馬を 今日見る人は限りなしといふ 万4494
 右の一首は、七月の侍宴のために、右中弁大伴宿禰家持、預めこの歌を作る。
ただし、仁王会の事によりて、かへりて六日をもちて内裏に諸王卿等を召して酒を賜ひ、肆宴して禄を給ふ。これによりて奏せず。
*水鳥の鴨の羽の色をした青馬を今日見る人は限りなく寿命が延びると言います。

 六日に、内庭にかりに樹木を植ゑて以ちて林帷と作して、肆宴を為したまふ歌一首
うち靡く春ともしるくうぐひすは 植木の木間を鳴きわたらなむ 万4495
 右の一首は右中弁大伴宿禰家持。不奏。
*草木が靡く春になった印にウグイスよ、幕に見立てた木々の間を鳴きながら渡っておくれ。

【似顔絵サロン】大伴 家持 おおともの やかもち 718養老2年 - 785延暦4年10月5日 公卿・歌人。百人一首6:かささぎの 渡せる橋に置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける 















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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