万葉集巻第二十4496-4497番歌(恨めしく君はもあるか)~アルケーを知りたい(1696)

▼今回は、大原今城と大中臣清麻呂が梅の花をネタに遊ぶ二首。4496番は咲き終わった梅の花で攻め、4497番はそれを切り返している。頭の回転の速い人たち。

 二月に式部大輔中臣清麻呂朝臣が宅にして宴する歌十首
恨めしく君はもあるかやどの梅の 散り過ぐまで見しめずありける 万4496
 右の一首は治部少輔大原今城真人。
*貴方様が恨めしい。庭の梅が散るまで見せてくださらないとは。

見むと言はばいなと言はめや梅の花 散り過ぐるまで君が来まさぬ 万4497
 右の一首は主人中臣清麻呂朝臣。
*見たいと仰れば嫌と言うものですか、梅の花が散り終わるまで貴方様がいらっしゃらなかっただけでしょうに。

【似顔絵サロン】大中臣 清麻呂 おおなかとみ の きよまろ 702大宝2年 - 788延暦7年9月6日 奈良時代の公卿・歌人。子が宿奈麻呂、子老、継麻呂、諸魚、老人、今麻呂。国家の昔のことをよく知っている老臣、朝廷の儀式について多くを諳んじかつ熟練していた。高位の官職にあって政務を見るにあたって、年老いても精勤で怠ることがなかった















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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