万葉集巻第二十4500-4501番歌(梅の花香をかぐはしみ)~アルケーを知りたい(1698)

▼今回も大中臣清麻呂の家で宴を開いたときの歌。梅の花がテーマになって歌が続いている。4500番は市原王が梅の花の香りをネタにして清麻呂に捧げた歌。続く4501番は家持が花のうつろいと松の永続を対比させた前向きな歌。

梅の花香をかぐはしみ遠けれど 心もしのに君をしぞ思ふ 万4500
 右の一首は治部大輔市原王
*梅の花が香るように、距離は遠いですが、いつも貴方様のことを思っています。

八千種の花はうつろふときはなる 松のさ枝を我れは結ばな 万4501
 右の一首は右中弁大伴宿禰家持。
*花はうつろうものです。しかし私たちは常に変わらない松の枝でご縁を結ぶのです。

【似顔絵サロン】市原王 いちはらおう 719養老3年 - ? 奈良時代の皇族。志貴皇子または川島皇子の曾孫。安貴王の子。大伴家持と交流。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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