万葉集巻第二十4514-4515番歌(青海原風波靡き)~アルケーを知りたい(1704)
▼4514番は、内相・藤原仲麻呂内相の邸宅で渤海大使の小野田守を送る家持の歌。航路の安全を祈る内容。後書きの最後にいまだ誦せずとあるのが気になる。4515番は因幡守として任地に出かける家持の送別会での本人の歌。会を開いた大原今城に向けた作品。寂しさが漂う。
二月の十日に、内相が宅にして渤海大使小野田守朝臣等を餞する宴の歌一首
青海原風波靡き行くさ来さ つつむことなく舟は早けむ 万4514
右の一首は右中弁大伴宿禰家持。いまだ誦せず
*青海原の風と波が平穏で、往復には何も問題なく舟はすいすいと早く進むことでしょう。
七月の五日に、治部少輔大原今城真人が宅にして、因幡守大伴宿禰家持を餞する宴の歌一首
秋風の末吹き靡く萩の花 ともにかざさず相か別れむ 万4515
右の一首は、大伴宿禰家持作る。
*秋風が吹き抜け萩の花が靡いています。一緒にかざすことなしでお別れするのでしょうか。
【似顔絵サロン】小野 田守/淡理 おの の たもり ? - ? 奈良時代の貴族。730年、旅人の梅花の宴に参加。霞立つ長き春日をかざせれどいやなつかしき梅の花かも 万846
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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