万葉集巻第1_29番歌(霞立つ春日の霧れる)~アルケーを知りたい(1736)
▼今回は人麻呂の長歌。長歌の「ポイント」は最後のほうにあるんじゃないか、と思うのだけれど、どうだろうか。
近江の荒れたる都を過ぐる時に、柿本朝臣人麻呂が作る歌
玉たすき 畝傍の山の
橿原の ひじりの御代ゆ 或いは「宮ゆ」といふ
生まれましし 神のことごと
栂の木の いや継ぎ継ぎに
天の下 知らしめししを 或いは「めしける」といふ
それにみつ 大和を置きて
あをによし 奈良山を越え 或いは「そらみつ 大和を置き あをによし 奈良山越えて」といふ
いかさまに 思ほしめせか 或いは「思ほしけめか」といふ
天離る 鄙にはあれど
石走る 近江の国の
楽浪の 大津の宮に
天の下 知らしめしけむ
天皇の 神の命の
大宮は ここと聞けども
大殿は ここと言へども
春草の 茂く生ひたる
霞立つ 春日の霧れる 或いは「霧立つ 春日か霧れる 夏草か 茂くなりぬる」といふ
ももしきの 大宮ところ
見れば悲しも 或いは「見れば寂しも」といふ 万29
*昔、大宮はここにあった、大殿はここにあったと言うのだが、今は春草が繁っているのを見ると悲しい。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1
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