万葉集巻第1_36番歌(水激く滝の宮処は)~アルケーを知りたい(1743)

今回の35番は持統天皇が吉野に行幸したときの歌。柿本人麻呂は天武天皇の時代から朝廷に務めていた人らしい。天武天皇は大海人皇子だった時期、吉野で暮らしていた時期があった。天武天皇の妻、持統天皇は吉野に思い入れがあり、天武天皇が崩御した後も足しげく通っていた。それを良く知る人麻呂が吉野を誉める歌を詠い、持統天皇の気持ちを表したのだ(ろうと思ふ)。

 吉野の宮に幸す時に、柿本朝臣人麻呂が作る歌
やすみしし 我が大君の
きこしめす 天の下に
国はしも さはにあれども
山川の 清き河内と
御心を 吉野の国の
花散らふ 秋津の野辺に
宮柱 太敷きませば
ももしきの 大宮人は
舟並めて 朝川渡る
舟競ひ 夕川渡る
この川の 絶ゆることなく
この山の いや高知らす
水激く 滝の宮処は
見れど飽かぬかも 万36
*吉野の宮はいくら見ても見飽きません。


〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

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