万葉集巻第1_44番歌(我妹子をいざ見の山を)~アルケーを知りたい(1751)

▼今回の44番歌は夫の立場から妻を詠った作品。前回の43番と対になる格好だ。歌に直接関係がなさそうに見える後書きにたいへん興味深いことが書いてある。吉野に行こうとする持統天皇に、今のタイミングではありませんぬ、と中止を求める高市皇子。そんなことを聞かないで吉野に行く持統天皇。高市皇子の忠誠と持統天皇の強さを感じる。

 石上大臣、従駕にして作る歌
我妹子をいざ見の山を高みかも 大和の見えぬ国遠みかも 万44
*わが妻をさあ見よう、といういざ見の山は高いです。でも大和の国は見えません。遠いからでしょう。
 右は、日本紀には「朱鳥の六年壬辰の春の三月丙寅の朔の戊辰に、浄広肆広瀬王等をもちて留守官となす。
ここに中納言三輪朝臣高市麻呂、その冠位を脱きて朝に捧げ、重ねて諫めまつりて曰さく、「農作の前に車駕いまだもちて動すべからず」とまをす。
辛未に、天皇諫めに従ひたまはず、つひに伊勢に幸す。
五月乙丑の朔の庚午に、阿胡の行宮に御す」といふ。
44番の後書きをビジュアルにした。

〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

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