電離された空気の一瞬の青いオーラを見た(ハリー・ドーリアンさん):アルケーを知りたい(372)

今回の話題は(C)マンハッタン計画。

▼ロスアラモスでは、放射性物質を扱う過程で、二人の物理学者が臨界事故で死亡した。最初に事故で亡くなったハリー・ドーリアンさんは、24才の若さである。

ハリー・ドーリアン Haroutune Krikor Daghlian Jr. , 1921年5月4日、コネチカット州生まれ - 1945年9月15日、ロスアラモスで死去。1942(21)パデュー大学で理学士。1944(23)大学院生でマンハッタン計画に参加。ロスアラモス研究所でフリッシュさんのグループに加わる。翌年、臨界事故。事故発生の2週間後に死去。

フリッシュ本:「ドーリアンはたいへん仕事熱心だったので、みんなが帰ったあとで、もうひとつ集合体を作ろうとしていた。そのとき、ウラン重金属の大きな切れ端が指から滑り、殆ど完成していた集合体の上に落ちた。ドーリアンは咄嗟に、筋骨たくましい腕の一振りで、その塊を横へ払いのけたが、そのとき、集合体の周りに、電離された空気の一瞬の青いオーラを見た(p.199)」

〔参考〕https://en.wikipedia.org/wiki/Harry_Daghlian
オットー・フリッシュ著、松田文夫訳(2003)『何と少ししか覚えていないことだろう』吉岡書店。
Otto Robert Frisch (1979),  What little I remember. Cambridge University Press. 
ルドルフ・パイエルス著、松田文夫訳(2004)『渡り鳥ーパイエルスの物理学と家族の遍歴ー』吉岡書店。
Rudolf Peierls (1985), Bird of Passage --- Recollections of a Physicist. Princeton University Press.
ルドルフ・パイエルス Rudolf Ernst Peierls, 1907年6月5日 - 1995年9月19日
オットー・ロベルト・フリッシュ Otto Robert Frisch, 1904年10月1日 - 1979年9月22日
リーゼ・マイトナー Lise Meitner, 1878年11月7日 - 1968年10月27日

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