角度の単位ラジアン rad:アルケーを知りたい(469)

今回の話題は(A)物理学。

▼アルケーを知りたい(462)から(468)までの7回は、国際単位系の基本単位の定義を見てきた。その前の(385)からは中高の理科の波・力・仕事・電気をざっと見た。このとき、いろんな単位が出てくる。特に長さや質量に関しては、
単位のモトになるものがメートル原器とかキログラム原器などの存在物ではなくて、計算で導き出すやり方に代わっていた。
中高の理科で扱う主題はこの50年それほど変わっていない。しかし、科学技術の発達をうけて単位の定義がバージョンアップしている。

▼そこでこれからしばらく、現代の計量単位の定義を計量単位令をもとに確認していく。

▼計量の基準について、経済産業省がWebページで説明している。参考になるので引用する:
「長さ」、「質量」、「時間」など、数値でその大きさを表すことができる事象や現象がある。
計量法では、取引又は証明、産業、学術、日常生活等の分野での計量で重要な機能を期待されているか否かという観点から対象とすべき事象等を列挙し、これを「物象の状態の量」と定義している。 
計量法においては、国際度量衡総会で決議された国際的に合意された単位系である国際単位系(呼称、SI又はSI単位)によるものなど確立された計量単位の存在する72の物象の状態の量を法律(法第2条第1項第1号)で、確立された計量単位のない17の物象の状態の量を政令(計量単位令第1条)で定めている。

▼以上が長いイントロで、次が今回、とりあげる単位ラジアン。
▼物象の状態の量▽角度 計量単位▽ラジアン rad 定義▽円の半径に等しい長さの弧の中心に対する角度(計量単位令、別表第一、第二条関係八、角度、ラジアン)

▼度とラジアンの変換プログラム
1. radから度を知りたい
2. 度からradを知りたい
選択してください:1
rad:3
171.975 度

1. radから度を知りたい
2. 度からradを知りたい
選択してください:2
度:180
radian 3.14

▼コード
def print_menu():
    print('1. radから度を知りたい')
    print('2. 度からradを知りたい')

def rad_angle_calc():
    rad = float(input('rad:'))
    angle = round(rad*(180/3.14), 2)
    print('{0}'.format(angle), '度')

def angle_rad_calc():
    angle = float(input('度:'))
    rad =  round(angle*(3.14/180), 2)
    print('radian', '{0}'.format(rad))

if __name__ == '__main__':
    print_menu()
    choice = input('選択してください:')
    if choice == '1':
        rad_angle_calc()
    if choice == '2':
        angle_rad_calc()

▼今日の人物 ラジアンという用語を最初に使ったイギリスのエンジニア・物理学者。
ジェームズ・トムソン(James Thomson 1822 - 1892) 教育▽グラスゴー大学 職業▽技術コンサルタント、クイーンズ大学やグラスゴー大学で教授 実績▽ラジアンradianやインターフェースinterface、トルクtorque などの用語を論文で初使用した 人脈▽ジェームズ・トムソン(同じ名前の父親、数学者)ケルヴィン卿ウィリアム・トムソン(実弟)、ウィリアム・ランキン(熱力学の創始者、ランキン温度)

〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://en.wikipedia.org/wiki/James_Thomson_(engineer)


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