1845、反磁性~ファラデー(英):アルケーを知りたい(652)

今回は物理学。

反磁性:「反磁性はすべての材料の特性。磁場に対する材料の応答に常に弱い影響を与える」 https://en.wikipedia.org/wiki/Diamagnetism

▼経緯。
1778年、ブルグマンスがビスマスとアンチモンが磁場に反発する性質を発見。
1845年、ファラデーは、磁場に置かれた物質が弱い反発を示す様子を発見し「反磁性  diamagnetism」という用語を作った。
1895年、ラーモアは反磁性を古典的に説明。
1911年、ニールス・ボーアは反磁性の古典的な説明が不可能であると証明。
1933年、マイスナーは超伝導状態の物質は非常に強い反磁性を示すと発見。マイスナー効果。

▼ファラデーのここが面白い:ファラデーは電磁気現象を発見した後、そこから一歩踏み込んだ磁力線などの知見を同時代の科学者に報告した。でも同時代の人はファラデーの新しい知見を受け入れる用意がなかった。少し時を置いたあとで、マクスウェルは「非常に高次の数学者である。将来の数学者が価値ある方法を導き出す可能性がある」と言い、さらに時を置いてラザフォードはファラデーを「史上最高の発見者」と言った。ファラデーの見つけた知見は時を経るごとに価値の理解が進みファラデーすげえ、になった。ファラデーは無理解や反対に対する耐性が高い人だったので、こういうのがストレスになった形跡がないのが面白い。

ファラデー(→616)

【ネットワーク】
ブルグマンス Sebald Justinus Brugmans 1763年3月24日 - 1819年7月22日 オランダの植物学者。▼1778(25) ビスマスとアンチモンが磁力に反発する性質を発見。後に反磁性と命名。

ラーモア Joseph Larmor 1857年7月11日 - 1942年5月19日 アイルランドの物理学者。▼反磁性の説明が後年「古典的」と位置づけられた。

ボーア Niels Henrik David Bohr 1885年10月7日 - 1962年11月18日 デンマークの理論物理学者。量子論の育ての親。▼ボーアの反磁性の説明によってラーモアの説明が古典的とされた。

マイスナー Fritz Walther Meissner 1882年12月16日 - 1974年11月16日 ドイツの物理学者。1933(51) マイスナー効果を発見。▼反磁性を超電導状態の物質に発見。

【似顔絵サロン】

















〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Michael_Faraday

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