柿本人麻呂の万葉集1761-1762番歌~アルケーを知りたい(1190)

▼今回の1761番は鹿が鳴く歌。これは、1664番の鹿が鳴かない歌に応えて人麻呂が作った。

 泊瀬の朝倉の宮に天の下知らしめす大泊瀬稚武天皇の御製一首
夕されば小倉の山に伏す鹿は 今夜は鳴かず寝にけらしも 万1664
 右は、或る本には「岡本天皇の御製」といふ。
 正指を審らかにせず、よりて累ね載す。
*夕方になったので小倉山で鹿が伏せている。今夜は鳴かずに寝るのだろう。

 鳴く鹿を詠む一首 幷せて短歌
みもろの 神なび山に 
たち向ふ 御垣の山に 
秋萩の 妻をまかむと 
朝月夜 明けまく惜しみ 
あしひきの 山彦響め 
呼び立て鳴くも 万1761
*山で鳴く鹿を詠む歌。

 反歌
明日の宵逢はずあらめやもあしひきの 山彦響め呼び立て鳴くも 万1762
 右の件の歌は、或いは「柿本朝臣人麻呂が作」といふ。
*宵には逢えると思ってか、鹿が鳴いて山彦を響かせている

【似顔絵サロン】柿本人麻呂(660-724)の先代人。ユスティニアヌス1世 Justinianus I 482 - 565 東ローマ帝国ユスティニアヌス王朝の第2代皇帝。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetailLink?cls=d_utabito&dataId=201
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E9%BA%BB%E5%91%82
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/hitomaro2_t.html

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