山部赤人の万葉集324-325番歌~アルケーを知りたい(1195)

▼対比したフレーズが素晴らしい歌。「春の日は」と「秋の夜は」、「朝雲に」と「夕霧に」。そして締めに「見るごとに音のみし泣かゆ いにしへ思へば」でまとめる。憎いね!

 神岳に登りて、山部宿禰赤人が作る歌一首 幷せて短歌
みもろの 神なび山に
五百枝さし 繁に生ひたる
栂の木の いや継ぎ継ぎに
玉蔓 絶ゆることなく
ありつつも やまず通はむ
明日香の 古き都は
山高み 川とほしろし
春の日は 山し見が欲し
秋の夜は 川しさやけし
朝雲に 鶴は乱れ
夕霧に かはづは騒ぐ
見るごとに 音のみし泣かゆ
いにしへ思へば 万324

 反歌
明日香川川淀さらず立つ霧の 思ひ過ぐべき恋にあらなくに 万325
*明日香川の川淀に立つ霧が消えないように、私たちの明日香への思いは消えるものではありません。

【似顔絵サロン】山部赤人(700-736)の先代人。安閑天皇 あんかんてんのう 466 - 536 第27代天皇。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=695
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/akahito2.html

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