万葉集巻第九1732‐1734番歌(思ひつつ来れど来かねて)~アルケーを知りたい(1419)
▼万葉の和歌を見ていると、当時の人は移動に舟をよく使っていたようだ。今回の3首もそう。1732番は夜間の運航、1733と1734番は陸が見える距離で運航してるんだと分かる。風と人力なので、エンジン音もなく、静かに進んでいたのだろう。
碁師が歌二首
大葉山霞たなびき夜更けて 我が舟泊てむ泊り知らずも 万1732
*大葉山に霞がたなびいて夜も更けようとしています。私の舟はどこに停泊するのでしょう、まだ分からないのですけど。
思ひつつ来れど来かねて三尾の崎 真長の浦をまたかへり見つ 万1733
*気になりつつも通り過ぎましたが、やはり気になって三尾の崎や真長の浦を振り返って見ました。
小弁が歌一首
高島の安曇の港を漕ぎ過ぎて 塩津菅浦今か漕ぐらむ 万1734
*高島の安曇の港を通り過ぎて、今頃は塩津菅浦あたりを漕ぎ進めているのでしょう。
【似顔絵サロン】碁師 ごし ? - ? 囲碁の専門家。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=9
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