万葉集巻第九1735‐1737番歌(山高み白木綿花に落ちたぎつ)~アルケーを知りたい(1420)

▼今回は川を詠った作品3首。1735はカエルが登場する。カエルが歌に出ると、歌の面白みがマシマシなる気がする。1736に出てくる綿花を見たことがないので、日本にはコットンがあったのかと思った。不明を恥じる。

 伊保麻呂が歌一首
我が畳三重の川原の磯の裏に かくしもがもと鳴くかはづかも 万1735
*三重の川原の磯の裏蔭で、いつまでもこうしていたいよとカエルが鳴いています。

 式部の大倭、吉野にして作る歌一首
山高み白木綿花に落ちたぎつ 菜摘みの川門見れど飽かぬかも 万1736
*高い山から白い綿花が勢いよく落ちて散っているような菜摘川。この川の渡り場はいくら見ても見飽きることがありません。

 兵部の川原が歌一首
大滝を過ぎて菜摘に近づきて 清き川瀬を見るがさやけさ 万1737
*大滝を通過して菜摘に近づいています。清らかな川瀬を見るとすがすがしい気持ちになります。

【似顔絵サロン】伊保麻呂 いほまろ ? - ? 奈良時代の歌人。















大和 長岡 やまと の ながおか 689 - 769 奈良時代の貴族・明法家。万1736















川原 かはら ? - ? 兵部省の官吏。万1737















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=9

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