万葉集巻第十1819‐1823番歌(我が背子を莫越の山の)~アルケーを知りたい(1429)
▼1819番から1821番までの三つの歌に出てくる鳥はウグイス。1822番の呼子鳥(よぶこどり)も1823番の貌鳥(かほどり)も、『新版万葉集二』によると郭公(かっこう)。いずれも鳴き声を聞いての歌。良いな、聞きたくなるな。
鳥を詠む
うち靡く春立ちぬらし我が門の 柳の末にうぐひす鳴きつ 万1819
*春になったらしい。我が家の門の柳にウグイスがやってきて鳴いています。
梅の花咲ける岡辺に家居れば 乏しくもあらずうぐひすの声 万1820
*自宅が梅の花が咲く岡の近くなので、ウグイスの鳴き声がよく聞こえます。
春霞流るるへに青柳の 枝くひ待ちてうぐひす鳴くも 万1821
*春霞が漂うあたりで青柳の枝をくわえてウグイスが鳴いています。
我が背子を莫越の山の呼子鳥 君呼び返せ夜の更けぬとに 万1822
*莫越山の呼子鳥よ、私の夫に、夜が更けましたから家にお戻りくださいと呼びかけてください。
朝ゐでに来鳴く貌鳥汝れだにも 君に恋ふれや時終へず鳴く 万1823
*朝から川の堤防で鳴いている貌鳥よ。お前も我が君が恋しくてそんなに鳴いているのかい。
【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者:藤原 良継/宿奈麻呂 ふじわら の よしつぐ/すくなまろ 716 - 777 奈良時代の公卿。藤原宇合の次男。兄・広嗣の乱に連座して伊豆国へ流罪。二年後、赦免。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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