万葉集巻第十1832‐1836番歌(梅の花降り覆ふ雪を)~アルケーを知りたい(1432)
▼2月、いまの寒い日と合いそうな歌。室内に籠ってばかりではなくて外を歩かねば、と思ふ。
雪を詠む
うち靡く春さり来ればしかすがに 天雲霧らひ雪は降りつつ 万1832
*新緑が春風にそよぐ春がやってきたというのに、空には雲と霧が出て雪まで降ってくる。
梅の花降り覆ふ雪を包み持ち 君に見せむと取れば消につつ 万1833
*梅の花に降り積もる雪を大事に持ち帰って貴方様にお見せしようと思ったのに手に取ると消えてしまいました。
梅の花咲き散り過ぎぬしかすがに 白雪庭に降りしきりつつ 万1834
*梅の花は散ってしまったのに、白雪が庭にしきりに降っています。
今さらに雪降らめやもかぎろひの 燃ゆる春へとなりにしものを 万1835
*今さら雪が降るなんてあるでしょうか。陽炎が燃える春となったというのに。
風交り雪は降りつつしかすがに 霞たなびき春さりにけり 万1836
*風に交って雪が降っていますが、霞がたなびいて春らしくなりました。
【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者:小野 東人 おの の あずまひと ? - 757 奈良時代の貴族。740年の広嗣の乱に連座し杖罪百回、伊豆国へ流罪。757年の橘奈良麻呂の乱に連座し杖で打たれる拷問の末、獄死。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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