万葉集巻第1_15番歌(海神の豊旗雲に入日さし)~アルケーを知りたい(1721)

▼今回は、中大兄皇子の三首セットの三番目の歌。
参考にしている伊藤博訳注『新版 万葉集一』では、この歌は額田王が斉明天皇に代わって詠ったものという解釈を載せている。もうひとつの参考、万葉百科ではこの歌は天智天皇の作となっている。歌の後書きには「今考えてみるとこの歌は反歌らしくない」とある。前の二首が争いと見物を詠って、この歌ではがらっと空気が変わる。さすが「旧本、この歌をもちて反歌に載す」の旧本の編集者だ。
▼15番歌は、今見えている夕やけの風景をもとに今夜の月夜を楽しみにするという、誠にさやけき歌。

海神の豊旗雲に入日さし 今夜の月夜さやけくありこそ 万15
*海神の豊旗雲に夕日がさしています。今夜の月夜は清らかでしょう。
 右の一首の歌は、今案ふるに反歌に似ず。
ただし、旧本、この歌をもちて反歌に載す。
この故に、今もなほこの次に載す。
また、紀には「天豊財重日足姫天皇の先の四年乙巳に、天皇を立てて皇太子となす」といふ。

【似顔絵サロン】中大兄皇子/天智天皇 てんちてんのう/なかのおおえのおうじ 626 - 672 第38代天皇。645年、中臣鎌足と共に乙巳の変、大化の改新を行う。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

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