万葉集巻第1_19番歌(綜麻形の林のさきの)~アルケーを知りたい(1725)
▼今回の19番歌も、18番、15番と同じく、万葉集の編集者の苦労が伺える後書きがある。「今、この歌を見ると、和する歌とは思えないんだけど、昔の本に載せてあったので、ここでもそのようにする」と。この歌、ほんとにここで良いのか?いや、よくないだろう、でもなあ昔の本がそうなっているからなあ、という迷いの気持ち。迷える後書きは家持が書いた、ということで。これも違うかも知れないけど。それにしても「今案ふるに和する歌に似ず」というフレーズ、なかなか良きと思えるようになった。
▼で、肝心の19番歌。三輪山を雲がここまで隠すのか、という恨み節の17番、18番歌の後に来る歌としては、確かに雰囲気が違う。綜麻形は三輪山の異名というから、三輪山つながりでここに置いたか。似顔絵は17番の前書きにあった井戸王を持ってきました。
綜麻形(へそかた)の林のさきのさ野榛の 衣に付くなす目につく我が背 万19
*三輪山の林の榛の葉が衣に付くように、目につく我がご主人様です。
右の一首の歌は、今案ふるに和する歌に似ず。
ただし、旧本、この次に載す。
この故になほ載す。
【似顔絵サロン】井戸王 いのへ の おおきみ ? - ? 飛鳥時代の歌人。667年、近江遷都のとき額田王に唱和した歌。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1
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