万葉集巻第1_7番歌(秋の野のみ草刈り葺き)~アルケーを知りたい(1712)
▼今回は、皇極天皇のそばにいた額田王が作った歌。但し書きを見ると何が何やらになるので、例のごとく大雑把に見て「この宮の草ぶき屋根を見ると、宇治の仮の宮を思い出しますね」という意味と解釈した。葺いた草の匂いがしたのだろうか。
明日香の川原の宮に天の下知らしめす天皇の代 天豊財重日足姫天皇
額田王が歌 いまだ詳らかにあらず
秋の野のみ草刈り葺き宿れりし 宇治の宮処の仮廬し思ほゆ 万7
*秋の野で刈り取った草で屋根を葺いた宇治の宮。その仮の廬を思い出します。
右は山上憶良大夫が類聚歌林に検すに、曰はく、
「一書には『戊申の年に比良の宮に幸すときの大御歌』」といふ。
ただし、紀には「五年の春の正月己卯の朔の辛巳に、天皇紀伊の温湯より至ります。
三月戊寅の朔に、天皇、吉野の宮に幸して肆宴したまふ。
庚辰の日に、天皇近江の比良の浦に幸す」といふ。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1
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