万葉集巻第6_981-983番歌(猟高の高円山を)~アルケーを知りたい(1832)
▼今回は月の三部作。981番では月の出方が遅いのは山が高いからと詠っている。山のせいにするのは万葉の定番なの?(笑)。982番のぬばたまのは枕詞、照れるは(たぶん)形容動詞的なやつ。おかげで和歌らしさが出て来る。983番は月の呼び方を変えて夜空を動く様子を楽しく綺麗に歌いだしている。さすが坂上郎女。 大伴坂上郎女 が月の歌三首 猟高 (かりたか) の高円山を高みかも 出で来る月の遅く照るらむ 万981 *高円山が高いから、月が顔を出して照るのが遅い。 ぬばたまの夜霧の立ちておほほしく 照れる月夜の見れば悲しさ 万982 *夜霧が立つなか薄ぼんやりと月が照る夜は何となく悲しい。 山の端のささら愛壮士 (えをとこ) 天の原門 (はらと) 渡る光見らくしよしも 万983 *山の端に見える可愛い月。天を渡る光を眺めるのは心地よい。 右の一首の歌は、或いは「月の別名 (またのな) をささら愛壮士といふ。 この辞によりてこの歌を作る」といふ。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6