万葉集巻第6_976-977番歌(難波潟潮干のなごり)~アルケーを知りたい(1828)
▼今回は、最初の作品が出かけた先で見た難波潟の風景を妻に伝えるために「よく見てむ」と詠った歌。風景を家づとにせむという優しい気持ちが良き。次の作品は、干潟が太陽を反射してきらきらしているのを見て、そうか、だから「おしてるや難波の海」というんだと納得した歌。作者は神社老麻呂(かみこそのおゆまろ)さん。この人、観察したものを言語化する気持ちと現地と現地を表現する言葉の関係に納得する気持ちの持ち主、とみた。インタビューしてみたい人。
五年癸酉に、草香山を越ゆる時に、神社忌寸老麻呂が作る歌二首
難波潟潮干のなごりよく見てむ 家にある妹が待ち問はむため 万976
*難波の干潟にたまった水のありさまをよく見ておこう。家で待っている妻に説明するため。
直越(ただこえ)のこの道にてしおしてるや 難波の海と名付けけらしも 万977
*直越のこの道から日が海を照らすのを見て「押し照るや難波の海」と表現したのだ。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6
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