万葉集巻第6_988番歌(春草はうつろふ)~アルケーを知りたい(1836)

▼今回、和歌には不思議なところがあると感じる歌。988番は息子が父親の長寿を祈っていますよと詠う歌でそれが下の句。上の句はメインのメッセージを引き出す役だ。そこに移ろふ春草を持ってきている。ここが不思議。常盤を象徴する山の木や川の流れを引き合いに出して、これらと同じく父上も常盤にいませと言うのではなく、移ろうものを出す。言霊的にそれで大丈夫なのか、コントラストが効きすぎちゃうか、と思ってしまう。マジで。

 市原王、宴にして父安貴王を禱く歌一首
春草はうつろふ巌なす 常磐にいませ貴き我が君 万988
*春の草は移ろいますので、しっかりとした岩のようにいつまでもお元気でいて欲しい父上です。

〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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