万葉集巻第6_978番歌(士やも空しくあるべき)~アルケーを知りたい(1829)
▼今回は、憶良が病気で弱っていた時、見舞いに来た人から病状を聞かれたときの歌。参考書の伊藤先生の解説によると、この一首が辞世となり憶良は他界したとのこと。 山上臣憶良 、沈痾 (ちんあ) の時の歌一首 士 (をのこ) やも空しくあるべき万代 (よろづよ) に 語り継ぐべき名は立てずして 万978 *男として何もなさずに終わってなるものか、後に語り継がれる名を残さずに。 右の一首は、山上憶良の臣が沈 痾 の時に、 藤原朝臣八束 、 河辺朝臣東人 を使はして疾 (や) める状 (さま) を問はしむ。 ここに、憶良臣、報 (こた) ふる語(ことば)已畢(をは)る。 しまらくありて、涕 (なみだ) を拭(のご)ひ悲嘆(かな)しびて、この歌を口吟 (うた) ふ。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6