万葉集巻第十1870‐1873番歌(春雨はいたくな降りそ)~アルケーを知りたい(1441)
▼春雨よ降れと思ふ。山火事には春雨でも雪でも降って鎮火すると良いと願う。
春雨はいたくな降りそ桜花 いまだ見なくに散らまく惜しも 万1870
*春雨よ、あまり降らないでもらえないか。桜の花が見ないうちに散ってしまうのが惜しいから。
春されば散らまく惜しき梅の花 しましは咲かずふふみてもがも 万1871
*春になると散るのが惜しい梅の花。しばらく咲かずに蕾のままであってよいのに。
見わたせば春日の野辺に霞立ち 咲ききほへるは桜花かも 万1872
*春日の野原を見わたすと、霞が立っています、その中で花を咲かせているのは桜のようですね。
いつしかもこの夜の明けむうぐひすの 木伝ひ散らす梅の花見む 万1873
*いつになったらこの夜が明けるのでしょう。ウグイスが木を伝うときに散る梅の花を見たいのに。
【似顔絵サロン】740年、ポスト藤原広嗣の乱の人々:孝謙天皇 こうけんてんのう 718 - 770 父親である聖武天皇の譲位で749年、第46代天皇に即位。藤原仲麻呂が勢力を伸ばす。758年、淳仁天皇に譲位し太上天皇。道鏡に肩入れ。764年、淳仁天皇を島流しに処し藤原仲麻呂を処刑し、第48代天皇として重祚。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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