万葉集巻第十八4101-4105番歌(白玉を包みて遣らば)~アルケーを知りたい(1543)

▼家持が富山に赴任している間、都で家を守っている妻に真珠を贈りたいと思っている気持ちを詠った作品。  京の家に贈るために、真珠を願う歌一首 幷せて短歌 珠洲の海人の 沖つ御神に い渡りて 潜き取るといふ 鮑玉 五百箇もがも はしきよし 夜床片さり 朝寝髪 掻きも梳らず 出でて来し 月日数みつつ 嘆くらむ 心なぐさに ほととぎす 来鳴く五月の あやめぐさ 花橘に 貫き交へ かづらにせよと 包みて遣らむ 万4101 *京で待っている妻の心の慰めに、あやめ草を花橘と編んでかづらにせよと包んで贈ろう。 白玉を包みて遣らばあやめぐさ 花橘にあへも貫くがね 万4102 *白玉を包んで贈れば、あやめ草と花橘を編んでかづらにするだろうな。 我妹子が心なぐさに遣らむため 沖つ島なる白玉もがも 万4103 *我が妻の心の慰めとして贈るのは、沖の島で取れる白玉が良いだろう。 沖つ島い行き渡りて潜くちふ 鮑玉もが包みて遣らむ 万4104 *沖の島に渡って海に潜り鮑玉を取って包み贈ってやろう。 白玉の五百つ集ひを手にむすび おこせむ海人はむがしくもあるか 一には「我家牟伎波母」といふ 万4105 *たくさんの白玉を手で集めて寄越してくれる漁師がいたらありがたいことだろうな。 【似顔絵サロン】藤原仲麻呂の乱に関係した人々:道鏡 どうきょう 700 - 772 奈良時代の僧侶。平将門、足利尊氏とともに日本三悪人。孝謙上皇の寵愛は藤原仲麻呂から道鏡に移る。764年、仲麻呂は乱を起こして敗れた。



















〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=18

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