万葉集巻第6_949番歌(梅柳過ぐらく惜しみ)~アルケーを知りたい(1816)

▼今回は前回の長歌に続く反歌。この一首で、この連中は仕事をサボって遊んでたことを全く反省してないのが分かる。平穏な日だし、春もそろそろ過ぎるから、みんなで球蹴りでもしない?とか言って、おれもおれもと参加者が増えて、宮近くの野原で遊んだわけだ。乱や変がなくて、あるいは、乱や変の合間で一息つきたい気分だったか。そのスキを狙うように大宮を襲ったのが敵だったら、大ごとになった。敵ではなく、雨降り雷電が轟いたくらいだったので幸いでした。でも大君や回りの人が侍従や侍衛を詠んでも、誰も出てこない。防衛体制ゼロ。大君はこんな状態を見てさぞ情けなかったことでしょう。で、浮かれてた連中を授刀寮に閉じ込めて反省させた。ところが、この連中、949番に見るように、何が問題だったか、分かってるんだか分かってないんだか。この能天気さのおかげで日本が続いているのかも。

 反歌一首
梅柳過ぐらく惜しみ佐保の内に 遊びしことを宮もとどろに 万949
*春を告げる梅や柳を楽しみたくて佐保で遊んだだけのことなのに、大宮ではそのことをメチャ大げさに非難しています。
 右は、神亀四年の正月に、数王子と諸臣子等と、春日野に集ひて打毬(だきう)の楽をなす。
その日たちまちに天陰り、雨ふり雷電(いなびかり)す。
この時に、宮の中に侍従と侍衛と無し、勅して刑罰に行ひ、みな授刀寮に散禁せしめ、妄りて道路に出づること得ざらしむ。
その時に悒憤(いぶせ)みし、すなはちこの歌を作る。作者未詳。

〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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