万葉集巻第6_1029番歌(河口の野辺に廬りて)~アルケーを知りたい(1861)

▼今回は家持が藤原博嗣を詠った歌。前書きに背景の説明がある。740年に九州で起きた藤原広嗣の乱の当事者。広嗣は吉備真備と玄昉が朝廷を乱しているから罰すると主張。乱の鎮圧に来た勅使に、ではなぜ軍を起こしたのか、と問われる。しかしこの問いに答えられなかったので味方だった兵が散り、敗けた。1029番は制圧軍を発した聖武天皇が伊勢の国に行幸するとき同行した家持の歌。

 十二年庚辰の冬の十月に、大宰少弐藤原朝臣広嗣、謀反(みかどかたぶ)けむとして軍を発すによりて、伊勢の国に幸す時に、河口の行宮にして、内舎人大伴宿禰家持が作る歌一首
河口の野辺に廬りて夜の経れば 妹が手本し思ほゆるかも 万1029
*河口の野原に野宿して夜が遅くなるにつれ、妻が恋しいと思ったかも知れません。

〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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