万葉集巻第6_1044-1046番歌(世間を常なきものと今ぞ知る)~アルケーを知りたい(1873)

▼今回は、740年に奈良から久邇京への遷都があった後、奈良が寂れる様子を悲しむ歌三首。後の時代の人間から見ると、5年経ったらまた都になるので、そんなに寂しがらなくても良いのにと思ったりする。でもそんなこと分かるわけない。同じように今のいろいろな嘆きも5年も経てば別の嘆きに取って代わられるかも知れないし。嘆きの遷都。

 寧楽の京の荒墟を傷惜みて作る歌三首 作者審らかにあらず
紅に深く染みにし心かも 奈良の都に年の経ぬべき 万1044
*紅が深く染みるように私の心も奈良の都に馴染んで年を重ねたい。

世間を常なきものと今ぞ知る 奈良の都のうつろふ見れば 万1045
*世間は常に変化するとあらためて知る。奈良の都のうつろいを見ると。

岩つなのまたをちかへりあをによし 奈良の都をまたも見むかも 万1045 
*岩に這う蔦のようにまた若返って奈良の都をまた見たいものだ。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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