万葉集巻第十1854‐1857番歌(うぐひすの木伝ふ梅の)~アルケーを知りたい(1437)
▼今回の4首の並びを見ると、なんだかうまいこと起承転結になっている印象。和歌を並べるとストーリーになる発見! 花を詠む うぐひすの木伝ふ梅のうつろへば 桜の花の時かたまけぬ 万1854 *ウグイスが枝を伝う梅の花が終わると、桜の花の出番です。 桜花時は過ぎねど見る人の 恋ふる盛りと今は散るらむ 万1855 *桜の花はまだ満開ではないけれど、見る人のために今が盛りというように散ってくれるのだ。 我がかざす柳の糸を吹き乱る 風にか妹が梅の散るらむ 万1856 *私が簪にしている柳の葉が風でひらひらするように、妻の梅の花も散るのだろう。 年のはに梅は咲けどもうつせみの 世の人我れし春なかりけり 万1857 *毎年、梅は咲く。けれども、この世で生きる私に花が咲く春はない。 【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者: 聖武天皇 しょうむてんのう 701 - 756 第45代天皇。父親は文武天皇、母親は藤原不比等の娘・宮子。藤原広嗣が、政権を批判して乱を起こすも取り合わず。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10