万葉集巻第十1850‐1853番歌(朝な朝な我が見る柳)~アルケーを知りたい(1436)

▼1850番は作者が柳に呼びかけている歌なので、考えて見ると変なのだが、気持ちは分かる。人以外のものにも声をかけてコミュニケーションを取りたくなるのは今も昔も変わらないのだ。

朝な朝な我が見る柳うぐひすの 来居て鳴くべく茂に早なれ 万1850
*毎朝眺めている柳よ、ウグイスが来て鳴くよう早く茂ってくれ。

青柳の糸のくはしき春風に 乱れぬい間に見せむ子もがも 万1851
*青柳の細い枝が糸のよう。春の風で乱れてしまう前に一緒に見る人がいたら良いのにな。

ももしきの大宮人のかづらける しだり柳は見れど飽かぬかも 万1852
*大宮人が髪飾りにするしだれ柳は、いくら見ても飽きません。

梅の花取り持ち見れば我がやどの 柳の眉し思ほゆるかも 万1853
*梅の花を折り取ってしげしげと眺めると、我が家の柳の眉のような葉っぱを連想しました。

【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者:橘 諸兄 たちばな の もろえ 684 - 757 奈良時代の皇族・公卿。大伴家持と親交、『万葉集』に8首。藤原四兄弟死去の後、吉備真備と玄昉が補佐。反発した藤原広嗣が乱を起こした。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10

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