万葉集巻第十1837‐1840番歌(君がため山田の沢に)~アルケーを知りたい(1433)
▼気持ちは春へと急いでるけど、天気が追い付かない歌。ウグイス、雪、野草のエグ、梅を歌に描き込むと視覚的・聴覚的に刺激されてよく伝わってくる。これは日本の伝統かな。
山の際にうぐひす鳴きてうち靡く 春へと思へど雪降りしきぬ 万1837
*山の際でウグイスが鳴いています。緑たなびく春がきたなーと思っていると雪が降ってきました。
峰の上に降り置ける雪し風の共 ここに散るらし春にはあれども 万1838
右の一首は、筑波山にして作る。
*山の峰の上に降り積もっていた雪が風に乗ってここに降るらしい。春なんだけど。
君がため山田の沢にゑぐ摘むと 雪消えの水に裳の裾濡れぬ 万1839
*貴方様のために山田の沢でエグを摘んでいると雪解けの水で衣の裾が濡れてしまいました。
梅が枝に鳴きて移ろふうぐひすの 羽白栲に沫雪ぞ降る 万1840
*梅の枝を鳴きながら移っていくウグイス。白い羽に沫雪が降りかかっています。
【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者:塩屋 古麻呂 しおや の こまろ ? - ? 奈良時代の官人・明法家。藤原広嗣の乱に連座し流罪。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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