万葉集巻第九1757‐1758番歌(筑波嶺の裾みの田居に)~アルケーを知りたい(1428)
▼筑波山に登るとこんなに気分が良くなるのか、と筑波山の株が上がる歌。1758番の反歌も楽しい。こういう心持ちで一日を過ごそう。
筑波山に登る歌一首 幷せて短歌
草枕 旅の憂へを
慰もる こともありやと
筑波嶺に 登りて見れば
尾花散る 師付の田居に
雁がねも 寒く来鳴きぬ
新治の 鳥羽の淡海も
秋風に 白波立ちぬ
筑波嶺の よけくを見れば
長き日に 思ひ積み来し
憂へはやみぬ 万1757
*旅の憂さを晴らそうと筑波山に登ったところ、花が散り、雁が飛び、海の白波が見えました。積もった憂さがすっかり晴れましたよ。
反歌
筑波嶺の裾みの田居に秋田刈る 妹がり遣らむ黄葉手折らな 万1758
*筑波山の裾の田で稲刈りしている娘さんにプレゼントする黄葉を手折っておきましょう。
【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者:安倍 黒麻呂 あべ の くろまろ ? - ? 奈良時代中期の官人。阿倍虫麻呂と同族の武人。藤原広嗣の乱を平定する志願兵。逃亡、潜伏していた広嗣を捕縛。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=9
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