万葉集巻第二十4472-4474番歌(うちひさす都の人に)~アルケーを知りたい(1683)

▼今回の歌は、安宿奈杼麻呂が転勤になったので、安宿王や山背王が奈止麻呂の家に集まって小宴を催したときの歌、三首。最初の4472番は奈止麻呂の歌。大君の命で都に上がります、と宴会に集まった人に向かって詠う。次の4473番は山背王の応答歌。三首目の4474番は後日、家持が追和した歌。家持はこの小宴には参加していなかったよう。

 八日に、讃岐守安宿王等、出雲掾安宿奈杼麻呂が家に集ひて宴する歌二首
大君の命畏み於保の浦を そがひに見つつ都へ上る 万4472
 右は掾安宿奈杼麻呂。
*大君のご命令は畏れ多いので、於保の浦を背にしながら都へ参上いたします。

うちひさす都の人に告げまくは 見し日のごとくありと告げこそ 万4473
*都の方々に次のようにお伝えください、前にお目にかかったときと同じ様子で過ごしています、と。
 右の一首は、守山背王が歌なり。
主人安宿奈杼麻呂語りて云はく、「奈杼麻呂、朝集使に差さえ、京師に入らむとす。
これによりて、餞する日に、おのもおのも歌を作り、いささかに所心を陳ぶ」といふ。

群鳥の朝立ち去にし君が上は さやかに聞きつ思ひしごとく 一には「思ひしものを」といふ 万4474
 右の一首は、兵部少輔大伴宿禰家持、後の日に、出雲守山背王が歌に追ひて和へて作る。
*鳥の群れが朝早く飛び立つように出発なさった貴方様のその後の話は詳しく伺っております。私が思っていたとおりでした。

【似顔絵サロン】安宿 奈杼麻呂/飛鳥部 奈止麻呂 あすかべ の などまろ ? - ? 奈良時代の官人。河内国安宿郡の人。百済系の渡来氏族。















安宿王 あすかべおう/あすかべのおおきみ ? - ? 奈良時代の皇族。天武天皇の後裔、長屋王の五男。橘奈良麻呂の乱の後、佐渡に流罪。















山背王 やましろおう ? - 763 奈良時代の公卿。 長屋王と藤原長娥子(ながこ)の子。長屋王の変では母が藤原不比等の娘であったため罪を免れた。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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