万葉集巻第二十4483-4485番歌(移り行く時見るごとに)~アルケーを知りたい(1688)

▼今回の家持の三首は、757年の橘奈良麻呂が藤原仲麻呂を滅ぼそうとして失敗した事件の後に作った歌という。4483番の「昔の人」は聖武天皇(756年崩御)や橘諸兄(757年逝去)をはじめ奈良麻呂の乱に加わった友人知人のこと。4484番の「花」はこれらの人びと、「山菅の根」は人の思いを言ってると思ふ。4485番は前の二首からふっと顔を上げて気持ちを持ち直す気配がある。

 勝宝九歳の六月の二十三日に、大監物三形王が宅にして宴する歌一首
移り行く時見るごとに心痛く 昔の人し思ほゆるかも 万4483
 右は、兵部大輔大伴宿禰家持作る。
*時が移り行くのを見るたびに心が痛みます。そして、昔の人のことを思い出します。

咲く花はうつろふ時ありあしひきの 山菅の根し長くはありけり 万4484
 右の一首は、大伴宿禰家持、物色の変化ふことを悲しび怜(あはれ)びて作る
*咲く花は移ろうもの。でも、山の土中の木草の根は長く続きます。

時の花いやめづらしもかくしこそ 見し明らめめ秋立つごとに 万4485
 右は、大伴宿禰家持作る。
季節の花には心惹かれます。ご覧になってお心を晴らしたことでしょう。秋になるたびに。

【似顔絵サロン】三方王/御方王/三形王 みかたおう ? - ? 奈良時代の皇族。舎人親王の孫。大伴家持と親交。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

コメント

このブログの人気の投稿

万葉集巻第十八4070-4072番歌(一本のなでしこ植ゑし)~アルケーを知りたい(1535)

万葉集巻第十2219-2222番歌(夕さらずかはづ鳴くなる)~アルケーを知りたい(1477)

万葉集巻第十八4093-4097番歌(ますらをの心思ほゆ)~アルケーを知りたい(1541)