万葉集巻第二十4488-4490番歌(み雪降る冬は今日のみ)~アルケーを知りたい(1691)

▼今回の歌は三首構成のストーリーとしても楽しめる。まず4488番で、冬は今日でおしまい明日からは春だぞ、と今を節目にしようや、という気分を打ち出す。続く4489番はその気分を受けて、そうですよ春が近いっすよ、今夜の月が霞んでいますから、と和する。そして4490番で家持が春になりましたら、ウグイスには最初にこの三形王の家で鳴いてもらいたいものですな、と心地よく締める。仲良し三人組の良い歌。

 十二月の十八日に、大監物三形王が宅にして宴する歌三首
み雪降る冬は今日のみうぐひすの 鳴かむ春へは明日にしあるらし 万4488
 右の一首は主人三形王。
*雪が降る冬は今日だけです。ウグイスが鳴く春は明日からです。

うち靡く春を近みかぬばたまの 今夜の月夜霞みたるらむ 万4489
 右の一首は大蔵大輔甘南備伊香真人。
*若葉がなびく春が近づきました。今夜の月が霞んでいます。

あらたまの年行き返り春立たば まづ我がやどにうぐひすは鳴け 万4490
 右の一首は右中弁大伴宿禰家持。
*年が替り春になったならば、まずこの家でウグイスに鳴いてもらいたい。

【似顔絵サロン】甘南備 伊香 かんなび の いかご ? - ? 奈良時代の皇族・貴族・歌人。万葉歌人。大伴家持・市原王・大原今城らと親交。757年と758年の歌が万葉集に収録。















三方王/御方王/三形王 みかたおう ? - ? 奈良時代の皇族。舎人親王の孫。大伴家持と親交。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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