万葉集巻第6_920番歌(あしひきのみ山もさやに)~アルケーを知りたい(1796)

▼吉野の清らかで素晴らしい環境が万代にも続きますようにと祈る笠金村の歌。吉野川は落ちぎたつ。川の瀬は清い。上からは千鳥の鳴き声。地面からはカエルの声。大宮人の姿が見える。記憶に残る夏の五月の吉野の風景。ふと自分の記憶かと思ってしまいそうになる。いやいや笠金村の歌なのだ。

 神亀二年乙丑(きのとうし)の夏の五月に、吉野の離宮に幸(いでま)す時に、笠朝臣金村が作る歌一首 幷せて短歌
あしひきの み山もさやに
落ちたぎつ 吉野の川の
川の瀬の 清きを見れば
上辺には 千鳥しば鳴く
下辺には かはづ妻呼ぶ
ももしきの 大宮人も
をちこちに 繁(しげ)にしあれば
見るごとに あやにともしみ
玉葛 絶ゆることなく
万代に かくしもがもと
天地の 神をぞ祈る
畏くあれども 万920
*この先もずっと長くこのようにあって欲しいと天地の神に祈ります。畏れ多いことですが。


〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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