万葉集巻第6_1031番歌(後れにし人を思はく)~アルケーを知りたい(1863)
▼「後れにし人を思はく」という印象的なフレーズで始まる今回の1031番歌。「しで」を重ねたダジャレが入っている。後書きは「この歌は今回の行幸から生まれた作品ではない」とある。読者はどうすれば良いのだろう? 1029番の前書きにある藤原広嗣の乱から話が転がっているのだが。もう広嗣の乱の件はどうでも良くなったのかな。 丹比屋主真人 が歌一首 後れにし人を思はく思泥 ( しで ) の崎 木綿取り垂 ( し ) でて幸 (さき ) くとぞ思ふ 万1031 *後に残っている人のことを思うと、幸いであって欲しいと思ふ。 右は、案ふるに、この歌はこの行の作にあらじか。 しか言う故は、大夫に勅して河口の行宮より今日に還し、従駕せしむることなし。 いかにしてか思泥の崎にして作る歌を詠むことあらむ。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6