万葉集巻第6_1062番歌(やすみしし我が大君の)~アルケーを知りたい(1883)
▼740年の 藤原広嗣の乱の後、5年間、遷都が続いた。まず 740年、平城京から久邇京に遷都するも743年に造営中止、744年に難波京に遷都、745年平城京に遷都。今回の歌は難波の宮で作られた作品。海の近くだけあって、潮の香りがしてきそう。 難波の宮にして作る歌一首 幷せて短歌 やすみしし 我が大君の あり通ふ 難波の宮は 鯨魚取り 海片付きて 玉拾ふ 浜辺を近み 朝 羽振る 波の音騒ぎ 夕 なぎに 楫の音聞こゆ 暁 の 寝覚に聞けば 海石の 潮干の共 浦洲 には 千鳥妻呼び 葦辺 には 鶴が音響む 見る人 の 語りにすれば 聞く人 の 見まく欲りする 御食向ふ 味経の宮は 見れど飽かぬかも 万1062 *我が大君が通う難波の宮は浜辺が近いので朝夕動きが盛んで賑やかです。その様子を見たり聞いたりしたい人が後を絶ちません。たしかに難波の宮は見ても飽きることがないのです。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6