万葉集巻第6_1059番歌(百鳥の声なつかしく)~アルケーを知りたい(1881)

▼今回の歌に出て来る「住よいと人は言うけれど、たたずまいがよいと私も思うけれど」、もうひとつ「国を見ると人が通わないし、里を見ると家々が荒れている」の表現が印象的。強調して伝えたい時に効果的な表現方法だ。使ってみたいぞ。

 春の日に、三香の原の荒墟を悲傷しびて作る歌一首 幷せて短歌
三香の原 久邇の都は
山高み 川の瀬清み
住よしと 人は言へども
ありよしと 我れは思へど
古りにし 里にしあれば
国見れど 人も通わず
里見れば 家も荒れたり
はしけやし かくありけるか
みもろつく 鹿背山の際に
咲く花の 色めづらしく
百鳥の 声なつかしく
ありが欲し 住みよき里の
荒るらく惜しも 万1059
*山は高く川の瀬は清らか。人は住みよいと言い私もそう思う。しかし古びた里には人は通わず家も荒れている。咲く花の色はあざやかでいろんな鳥の鳴き声もなつかしい。住み慣れた里が荒れるのは残念だ。

〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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