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万葉集巻第7_1078番歌(この月のここに来れば)~アルケーを知りたい(1897)

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▼今回の歌を見て、そういえば、60年くらい前、家の玄関先で人を待つ様子を描いた漫画を見たような。玄関前に立って人や郵便を待つ姿があった時代だ。この歌もその源流で、妻が夫の帰りを、月の位置から割り出して、そろそろだろうと思って待つという話。天空が時計なんだ。 この月のここに来れば今とかも 妹が出で立ち待ちつつあるらむ  万1078 *空の月がこの場所に来れば今にも着くはず、と思って妻が玄関先で待っているだろう。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1077番歌(ぬばたまの夜渡る月を)~アルケーを知りたい(1896)

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▼今回の作品は印象に残る面白い歌。月の歌を眺めているうちに、山に沈む月を見たくなる。太陽は毎日出入りしているので晴れていれば見られるけど、月はなかなかだ。今週は曇りの日ばかりだから、しばらくはお目にかかれない。そうなると、月の歌がありがたい存在になる。 ぬばたまの夜渡る月を留めむに 西の山辺に関もあらぬかも  万1077 *夜空を通り過ぎる月を留めるために西の山に関所があればよいのに。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1076番歌(ももしきの大宮人の)~アルケーを知りたい(1895)

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▼月の明かりだけで宴を張れるものか?と思うが、万葉時代の人はやれてたのだなあ。月に対する人の感覚は今より鋭敏そう。月のおかげで夜の風景が見えていた時代。新月から満月まで月の変化が夜の景色の見え方の違いになっていた、と思うと、なんかすごい。月のない夜は外に出られたもんじゃなさそう。 ももしきの大宮人の罷り出て 遊ぶ今夜の月のさやけさ  万1076 *大宮人が集まって宴会をして遊んでいます。今夜の月が良いから。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1075番歌(海原の道遠みかも)~アルケーを知りたい(1894)

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▼今回の歌、詠み手は今夜の月はちょっと暗いと感じている。月は「そう言われましても、、、いつも通り照ってますけど」と言いそう。両者の 間に立つ 読み手としては、ちょっとおろおろ(笑)。 海原の道遠みかも月読の 光少なき夜は更けにつつ  万1075 *海原を渡る道のりが長いせいか、月の光が物足りないまま夜が更けています。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1074番歌(春日山おして照らせる)~アルケーを知りたい(1893)

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▼月の光(照らし出される風景)を見ながら離れたところにいる妻に思いを馳せる。エレガントな歌。今の時代、こういう風景を見る体験ってできるのだろうか。こういう風景というのは、山が月に照らし出される風景。どこかで電灯が点いている(それが安心なんだけど)。春日山どこかで灯る電灯は 妹が庭にもさやけくありけり。これはちょっと無理がある。 春日山おして照らせるこの月は 妹が庭にもさやけくありけり  万1074 *春日山一帯を照らすこの月は、妻の庭にも清らかに照っているのだろう。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1073番歌(玉垂の小簾の間通し)~アルケーを知りたい(1892)

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▼この作品は、いくら良い夕月でも 独りぼっちは嫌だ、寂しい、とブーたれる歌。やっぱり人は気心通じる人と一緒にいるのが楽しいのだ。一人より二人のほうが何倍も楽しい。 玉垂の小簾の間通しひとり居て 見る験なき夕月夜かも  万1073 *ブラインドごしに一人で見る夕月なんて味気ないったらありゃしない。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1072番歌(明日の宵照らむ月夜は)~アルケーを知りたい(1891)

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▼今回の歌、何を言ってるのだろう?と 最初は 思った。明日照る分の月を今夜に付け加えるという話なんだが。つまり今夜がナイスなので名残惜しい、長く続いて欲しいという意味だ。月夜の時間を融通できるとは知らんかった。 明日の宵照らむ月夜は片寄りに 今夜に寄りて夜長くあらなむ  万1072 *明日の夜の分も今日の月夜に寄せてできるだけ長くあって欲しい。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7