万葉集巻第1_22番歌(川の上のゆつ岩群に)~アルケーを知りたい(1728)

▼今回の22番歌は、女性が若さを慈しむ内容。若々しさを良しと思う気持ちは昔も今も女も男も変わらない。十市皇女の父親は天武天皇、母親は額田王。結婚した相手は天武天皇の兄、天智天皇の息子である大友皇子。天武天皇と大友皇子は672年の壬申の乱で敵味方に分かれるので、十市皇女にとっては父と夫が戦う辛い立場。▼古代ギリシャの賢人ソロンの言葉「人は死ぬまで幸福であり続けるとは限らない」を思い出す。

 明日香の清御原の宮の天皇の代 天渟中原瀛真人天皇、謚して天武天皇といふ
十市皇女、伊勢の神宮に参赴ます時に、波多の横山の巌を見て、吹芡刀自が作る歌
川の上のゆつ岩群に草生さず 常にもがもな常処女にて 万22
*川の回りの岩には苔が生していません。こんなふうにいつも若々しくありたいものです。
 吹芡刀自はいまだ詳らかにあらず。
ただし、紀には「天皇の四年乙亥の春の二月乙亥の朔の丁亥に、十市皇女、伊勢の神宮に参赴ます」といふ。


〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

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