万葉集巻第6_1005-1006番歌(神代より吉野の宮に)~アルケーを知りたい(1846)

▼「やすみしし我が大君の」と来れば山部赤人。冒頭で大君を詠う歌だ、と主旨がすぐ分かる。スピード感が良い。「山柿の門」というのもごもっとも。和歌の伝え方はこうでなくっちゃという王道の見本だ。

 八年丙子の夏の六月に、吉野の離宮に幸す時に、山辺宿禰赤人、詔に応へて作る歌一首 幷せて短歌
やすみしし 我が大君の
見したまふ 吉野の宮は
山高み 雲ぞたなびく
川早み 瀬の音ぞ清き
神さびて 見れば貴く
よろしなへ 見ればさやけし
この山の 尽きばのみこそ
この川の 絶えばのみこそ
ももしきの 大宮ところ
やむ時もあらめ 万1005
*吉野宮は山高く川が速い。山がなくなりでもすれば、川が絶えでもすればこの大宮もなくなるだろうが、そんなことは決してない。

 反歌一首
神代より吉野の宮にあり通ひ 高知らせるは山川をよみ 万1006
*神代の時代から吉野の宮に大君が通い世を支配するのは山と川が素晴らしいからです。


〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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