万葉集巻第二十4351-4352番歌(旅衣八重着重ねて)~アルケーを知りたい(1621)
▼防人に選ばれると妻と別れ、仕えていた君とも別れなければならない。防人には別れの辛さ悲しみがある。 旅衣八重着重ねて寐のれども なほ肌寒し妹にしあらねば 万4351 右の一首は望陀の郡の上丁 玉作部国忍 。 *旅用の衣類を幾重にも重ねて寝るのだが、妻がいないので肌寒くてならない。 道の辺の茨のうれに延ほ豆の からまる君をはかれか行かむ 万4352 右の一首は天羽の郡の上丁 丈部鳥 。 *豆のつるのように一緒にいた若様とお別れして行かなければなりません。 【似顔絵サロン】 玉作部 国忍 たまつくりべ の くにおし ? - ? 奈良時代の防人。上総国望陀郡の出身。755年、防人の上丁として筑紫に派遣。 丈部 鳥 はせつかべ の とり ? - ? 奈良時代の防人。上総国 天羽郡 の出身。 755年、防人の上丁として筑紫に派遣。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20