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万葉集巻第二十4470-4471番歌(水泡なす仮れる身ぞ)~アルケーを知りたい(1682)

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▼今回の二首は家持の作。4470番は、泡沫のような命と承知しりながらもなお長生きを祈る歌。4471番は、夜の雷の光で一瞬見えた山橘の歌。  寿を願ひて作る歌一首 水泡なす仮れる身ぞとは知れれども なほし願ひつ千年の命を  万4470 *水泡のようなこの世の仮の姿の自分とは分かっている。しかしそれでもなお千年の長寿を願うのだ。   以前の歌六首は、六月の十七日に大伴宿禰家持作る。  冬の十一月の五日の夜に、小雷起りて鳴り、雪落りて庭を覆ふ。 たちまちに感憐を慨き、いささかに作る短歌一首 消残りの雪にあへ照るあしひきの 山橘をつとに摘み来な  万4471   右の一首は兵部少輔大伴宿禰家持。 *消え残りの雪と一緒に映える山橘を家の土産に摘んで来よう。 【似顔絵サロン】 寿を願ふ大伴家持 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20